こんにちは、台湾在住のれんです。
今回は「並 (并) 」の使い方をご紹介します。
私は5年前に台湾へ移住した頃、「関ジャニの仕分け∞」という全国の歌がうまい子供たちが優勝を争う番組を、台湾のケーブルテレビで見ていました。
その時に、とまりれん作詞作曲の「氷雨(ひさめ)」を中学生ぐらいの子が歌ってたんですが、「傘がないわけじゃないけれど」という歌詞のところで「ん?これって中国語でどう言うんだろ?」と一瞬思ったんですよ。
そこで字幕を見てみると、「並不是沒帶傘」と訳してました。
調べると「並」には「~というわけじゃない、決して~ではない」とういう意味があったんですね。
場面は限られるけどなかなか使えそうな言い回し。
この時の「並」は副詞としての使い方ですが、他にも動詞や接続詞としての使い方もあります。
という訳で、どんな時に使えるのか見ていきましょう。
1 並不~ (決して~ではない)
これは副詞としての使い方で、否定文の「不」や「沒」の前に「並」を置きます。
並 (并) + 不
並 (并) + 沒
という形です。
「~ではない」という否定の意味を強調する役割をしているんですね。
bìng bú shì méi dài sǎn
並不是沒帶傘
( 傘がないわけじゃない )
を例に見てみると、
「沒帶傘」で、傘を持ってないという意味。
それを「不是」で否定して「不是沒帶傘」、傘を持っていないことはない、という意味になりますよね。
さらに「並」で「不是」を強調して「並不是沒帶傘」。
決して傘を持っていないわけじゃない、となるんですね。
もっと例文を見てみましょう。
例文
suī rán shì lián jià bìng bú shì suǒ yǒu de rén dōu fàng jià
雖然是連假並不是所有的人都放假
( 連休だけど全員が休みというわけじゃありません )
bìng bú shì nà yàng de yì si
並不是那樣的意思
( 決してそんな意味じゃない )
bìng bú shì wú suǒ wèi
並不是無所謂
( どうでもいいわけじゃない )
bìng bú shì xǐ huān xiàn zài de gōng zuò cái zuò
並不是喜歡現在的工作才做
( 好きで今の仕事をしているわけじゃない )
bìng bù xī qí
並不稀奇
( 決して珍しい事じゃない )
tā bìng bú shì méi yǒu qián tā zhǐ shì hěn xiǎo qì ér yǐ
他並不是沒有錢他只是很小氣而已
( 彼はお金がないわけじゃなく、ただケチなだけです )
bìng bú shì fù yù de jiā tíng dàn guò de hěn kāi xīn
並不是富裕的家庭但過得很開心
( 決して裕福な家庭ではなかったけど楽しかった )
zuò qǐ lái bìng bú xiàng shuō de nà ma jiǎn dān
做起來並不像說的那麼簡單
( やってみると言うほど簡単じゃない )
bìng bú shì wèi le shéi zuò ér shì wèi le zì jǐ zuò
並不是為了誰做而是為了自己做
( 誰かの為にするわけじゃなく、自分の為にやります )
bìng bú shì nǎ ge zhèng què nǎ ge cuò
並不是哪個正確哪個錯
( どちらかが正しくて、どちらかが間違っているというわけじゃない )
suǒ yǒu de rì běn rén bìng bù yī dìng xǐ huān shòu sī
所有的日本人並不一定喜歡壽司
( 全ての日本人が寿司を好きとは限らない )
bìng bú kùn nán
並不困難
決して難しい事じゃない
bìng bù róng yì
並不容易
( 決して容易な事ではない )
bìng bù jiǎn dān
並不簡單
( 決して簡単な事ではない )
zhè yàng de qíng kuàng bìng bù duō
這樣的情況並不多
( こんな状況は決して多くない )
zhè yàng de zuò pǐn bìng bù shǎo
這樣的作品並不少
( こういう作品は決して少なくない )
2 並~ 並在一起 (並べる、合わせる)
動詞として「並べる」や「付け合わせる」といった意味で使う事も出来ます。
これは副詞の時と比べるとそれほど使わないですね。
例文
liǎng ge rén jiān bìng jiān zǒu zài yī qǐ
兩個人肩並肩走在一起
( 二人で肩を並べて歩く )
「肩並肩」で、肩を並べるという意味です。
bǎ zhè liǎng zhāng zhuō zi bìng zài yī qǐ
把這兩張桌子並在一起
( この二つの机をつけ合わせる )
「並在一起」で、合わせる、付け合わせるといった意味になります。
3 並且 (また、そして、さらに)
接続詞として「また、そして、さらに、その上」、といった意味で使う事も出来ます。
文の間に置いて、「~並~」「~並且 bìng qiě ~」という形です。
そう、「而 ér」や「而且 ér qiě」と同じ意味で使えるんですね。
例文
zhè jià qián bú dàn hǎo bìng qiě zài wǒ de yù suàn fàn wéi
這價錢不但好並且在我的預算範圍
( 値段がちょうどいいだけじゃなくて私の予算の範囲内です )
zài shuǐ gǔn de tóng shí fàng rù shí cái bìng fàng rù yán hé táng
在水滾的同時放入食材並放入鹽和糖
( 水が沸騰すると同時に食材をいれて、さらに塩と砂糖を入れる )
qǐng zài zhè zuàn kǒng bìng qiě gōng yá
請在這鑽孔並且攻牙
( ここに穴をあけて、さらにタップを切って下さい )
まとめ
「並」を使った「決して~ではない」という言い方、それほど多く使う事はないと思いますが、使いたい時が必ずありますよね。
そんな時は思い出して使ってみて下さい。
それと、接続詞で使う時に「而且」で言い慣れていれば、わざわざ「並且」を使う必要はないと思います。
でも「而且」は難しい「e」の発音が入っているので、発音が得意でない方は「並且」を使うのも一つの手かもしれませんね。
それでは!簡単なので是非使ってみて下さい!
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