こんにちは、台湾在住のれんです。
私が勤めている会社は台湾にある日系の会社で社員はほぼ台湾人です。
以前、設備保全に若いスタッフがいました。
そのスタッフは電気系の学校を卒業していたため主に電気関係を担当していたのですが、設備スタッフが少ないため機械関係の修理もよくさせられていました。
たまに機械部品の交換をしているところを覗いて見たりするんですが、やっぱり機械の知識が少ないため作業がぎこちなく、問題が出てきます。
「ベルトがつかない」「減速機が外れない」とよく言ってました。
そんな時は一緒に作業してコツとかを教えてました。ちょっと懐かしい。
そのスタッフは会社を辞めたんですがその後もたまに連絡をしてきてご飯を食べに行ったりしてます。
そんなわけで今回は「~が入らない」「~がつかない」「~が取れない」「~が外れない」といった時の中国語を御紹介します。
機械に何か問題があって報告を受けた時にこれらの言葉をしっていると役に立ちますよ。
なお、今回紹介する文はすべてに「方向補語」と呼ばれる文法表現が含まれています。
あなたが中国語を勉強中であれば避けては通れない文法なのでぜひ参考にして下さい。
目次
1 入らない
ベアリングが入らない
péi lín fàng bú jìn qù |
培林放不進去 |
ペイ リン ファン ブ ジン チュィ |
例えばベアリングが軸に入らない場合はこう言います。
”培林” は「ベアリング」、”放” は色々と意味がありますが、この場合「置く」という意味です。
”進去” は「入っていく」という意味で、方向補語と呼ばれ「動詞+進去+目的語」の形でよく使われます。
「放+進去」で「入れる、入っていく」という意味になり、”不” で否定して「入らない、入っていかない」となります。
”不” は ”放” と ”進去” の間に入るんですね。
ベアリングが入った
péi lín fàng jìn qù le |
培林放進去了 |
ペイ リン ファン ジン チュィ ラ |
「ベアリングが入りました」「ベアリングが入ったよ」と、入った時はこう言います。
動作の完了を表す ”了” をつけて「入った、入っていった」となります。
その場に作業者と一緒にいた時は単純に ”放進去了” 「入った」といいますね。
ベアリングが軸に入らない
péi lín fàng bú jìn zhóu lǐ |
培林放不進軸裡 |
ペイ リン ファン ブ ジン ズゥォ リー |
ちなみに、「ベアリングが軸に入らない」と、何に入らないのか細かく伝えたい場合はこうなります。
”去” がなくなり、”軸裡” 「軸の奥」という場所を表す名詞が入ります。
「ベアリングが軸の奥に入らない」「ベアリングが軸に入っていかない」という意味になります。
2 つかない
ベルトがつかない
pí dài zhuāng bú shàng qù |
皮帶裝不上去 |
ピー ダイ ズゥァン ブ シャン チュィ |
ベルトがプーリーに入らないなど「ベルトが取り付かない、ベルトが取り付けられない」時はこう言います。
”皮帶” は「ベルト、革ベルト」、”裝” はこの文では「取り付ける、組み立てる」という意味です。
”上去” は主に「低い所から高い所へ向かっていく」という意味で使われる方向補語ですが、「付け加える、取り付ける」という意味もあります。
「裝+上去」で「組み立てる、取り付ける」という意味になり、、”不” で否定して「組み立てできない、とりつけられない」となります。
ベルトがついた
pí dài zhuāng shàng qù le |
皮帶裝上去了 |
ピー ダイ ズゥァン シャン チュィ ラ |
「ベルトが取り付いた」「ベルトが取り付けできた」という時はこう言います。
この文も ”了” をつけて動作が完了した事を表しています。
ベルトがプーリーにつかない
pí dài zhuāng bú shàng pí dài lún |
皮帶裝不上皮帶輪 |
ピー ダイ ズゥァン ブ シャン ピー ダイ ルン |
ベルトが「プーリー」に入らない、と何に入らないか伝えたい時はこう言います。
”去” がなくなり、”皮帶輪” 「プーリー」という名詞が入ります。
「ベルトがプーリーに取り付かない」「ベルトがプーリーに取り付けできない」となります。
こういう言い方をしなくても単純に「ベルトが付かない」と言ってしまえば通じるのであまり言いませんが、気になる方は参考にして下さい。
3 掛からない
ベルトが掛からない
pí dài guà bú shàng qù |
皮帶掛不上去 |
ピー ダイ グゥァ ブ シャン チュィ |
こっちは「ベルトが掛からない」とちょっと詳細に言っていますが「皮帶裝不上去」と同じで、取り付けられない意味なのでどちらを言ってもいいです。
人によって言い方が違うだけで、自分が言う時はどっちを使っても大丈夫です。
”掛” は「掛ける、つるす、引っかける」という意味です。
ベルトが掛かった
pí dài guà shàng qù le |
皮帶掛上去了 |
ピー ダイ グゥァ シャン チュィ ラ |
「ベルトが掛かりました」「ベルトが掛かった」という時はこう言います。
この文も ”了” をつけて動作が完了した事を表しています。
4 取れない
ビスが取れない
luó sī ná bù chū lái |
螺絲拿不出來 |
ルゥォ スー ナー ブ チュー ライ |
例えばビス、ねじが取れない場合はこう言います。
”螺絲” は「ビス、ねじ」、”拿” は「持つ、つかむ」という意味です。
”出來” は主に「中から外に向かってくる」という意味で使われる方向補語です。
この文では「拿+出來」で「取り出す、取る」、”不” で否定して「取り出せない、取れない」となります。
ビスが取れた
luó sī ná chū lái le |
螺絲拿出來了 |
ルゥォ スー ナー チュー ライ ラ |
「ビスが取れた」「ビスを取り出した」という意味になります。
この場合は自分からビスを取り外した事を言っているので、自然にビスが緩んで外れた時などはまた違う言い方になるので注意して下さい。
5 外れない
減速機が外れない
jiǎn sù jī chāi bú xià lái |
減速機拆不下來 |
ジィェン スー ジー ツァイ ブ シャー ライ |
例えば減速機が外れない場合はこう言います。
”減速機” そのまま「減速機」の意味で、”拆” は「取り外す」という意味です。
”下來” は主に「高い所から低い所へ向かってくる」という意味で使われる方向補語です。
「拆+下來」で「取り外す、取り外して下す」、”不” で否定して「取り外せない、取り外して下せない」となります。
減速機が外れた
jiǎn sù jī chāi xià lái le |
減速機拆下來了 |
ジィェン スー ジー ツァイ シャー ライ ラ |
「減速機が外れた」「減速機を取り外した」時に言います。
この場合も自分から取り外した事を言っているので、自然に外れた時は違う言い方になるので注意して下さい。
減速機がモーターから外れない
cóng mǎ dá chāi bú xià jiǎn sù jī |
從馬達拆不下減速機 |
ツォン マー ダー ツァイ ブ シャー ジィェン スー ジー |
減速機が「モーター」から外れないと、何から外れないのか言いたい場合はこう言います。
”從” は「~から」という意味で、この場合「モーターから」となります。
”來” が無くなり、”減速機” という名詞が入ります。
以前工場で、保全スタッフが減速機を交換するのにモーターから外れず、ハンマーでガンガン叩いている所を見ました。
減速機とモーターを接続する部分がキー溝タイプではなくカップリングになっていて、それに気づかず叩いて外そうとしてたんですよ。
減速機側にカップリングが付いていて、カップリングを締め付けているビスを緩めるために六角レンチを入れる穴があるんですがそれに気が付かない。
それを教えてあげるとすぐに外れたんですが、数ヵ月後に同じ作業をしている時、またガンガン叩いてました。
覚えなさいよと(笑)
こんな事が多いです。まあ台湾の面白いところでもあるんですが。
6 まとめ
- ”培林放不進去”
「ベアリングが入らない」 - ”皮帶裝不上去”
「ベルトがつかない」 - ”皮帶掛不上去”
「ベルトが掛からない」 - ”螺絲拿不出來”
「ビスが取れない」 - ”減速機拆不下來”
「減速機が外れない」
この中で「ビスが取れない」と「減速機が外れない」はどちらも「取れない」「外れない」と言い換える事が出来ますよね。
中国語もこの場合は同じで ”螺絲拆不下來” ”減速機拿不出來” と言ってもいいんですよ。
実際、ビスが取れない時なんかは特に人によって言い方が変わります。
どちらかというと、”拿不出來” は機械や設備に関係が薄い一般の人、”拆不下來” は機械や設備に関係している専門職の人が言うイメージです。
今回出てきた方向補語というのは中国語独特の言い方で、いろんな組み合わせがあるので結構ややこしいですがよく使う言葉なのですぐに聞きなれると思います。
私はよく使う組み合わせを一つの型として覚えてしまってます。
是非あなたの仕事に役立てて下さい。
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