こんにちは、台湾在住のれんです。
中国語の勉強を始めた方、「an」と「ang」の発音の違い、分かりますか?
そう、これは発音を勉強し始めた方が直面する最初の疑問ですよね。
昔、発音練習の時に中国語塾の先生から発音を教わりましたが何度聞いても、「これもう、ほぼ一緒じゃないの?」と思ってました。
単体でゆっくりと発音してくれれば聞き取れるけど、普段の会話でこれを聞き取れるのか?と思いますよね。
聞き取りも難しいけど、発音も難しい。
正直、これを初級レベルできれいに発音できる人はすごいと思います。
で、この「an」と「ang」の発音の違い、私はずっとガン無視してきました。
「ほとんど同じ発音だからまあいいんじゃないの?」と。
それに中国語塾の先生もこの発音は日本人には難しいと言ってたし、特にこの発音にこだわってない様だったので。
でも今の台湾の会社に勤めるようになってからずっと気になってたんですよ。
なぜかと言うと、「弁当」を台湾では「便當 biàn dāng」と言います。
そして「バカ」を台湾では「笨蛋 bèn dàn」と言うんですよ。
読み方が激似じゃないですか。
私が勤めている台湾の会社では昼ご飯は弁当を注文して食べています。
それぞれが食べたい弁当を、注文する人に頼むんですが「咖喱便當(カレー弁当)」とか「魯肉便當(台湾で有名な魯肉飯の弁当バージョン)」、と弁当の名前を言います。
これ一歩発音を間違えると「カレーバカ」とか「煮込み豚肉バカ」になっちゃうんですよ。
むしろ、今現在発音を間違えていてそう言ってしまってる可能性があるわけです。
怖いですよね。
なのでやはりこの発音は出来た方がいいです。
それに「an」と「ang」を使っている単語は使用頻度もけっこう高いんですよ。
1 発音のコツ
この発音を説明する時によく例えられるのが日本語の「案内」と「案外」です。
私も中国語塾の先生には次のように教えてもらいました。
- 「an」は「案内」の「アン」と同じように発音する。
- 「ang」は「案外」の「アン」と同じように発音する。
「案内」を発音してみて下さい。「アン」の時に舌が天井(歯茎)につきますよね。
で、「ン」がハッキリと発音されていると思います。
次に「案外」を発音してみて下さい。「アン」の時に舌が天井(歯茎)につきませんよね。
「ン」はちょっと濁った感じになります。
それと、口の奥で発音している感じがしますよね。
「an」は「ン」を言い切る感じ、「ang」は「ン」が濁って、鼻から抜ける感じ。
これだけです。簡単ですよね。
意識して発音すればこれだけで問題無く発音はできると思います。
で、私はこの発音が出来ているのかというと、出来ているみたいです。
今までガン無視してきたにもかかわらず。
なぜかと考えたんですが、おそらく台湾人の発音をそのまま真似して覚えてきたからだと思います。
正確に言うと発音と言うよりは「言い方」です。
会話の中で自分が言った単語を相手がもう一度言った時、違いを感じる時がありますよね。
やけに語尾を力強く発音するとか、言い捨てるような言い方だとか。
そういう時にその場でもう一度発音して相手の台湾人に聞いてもらったり、会話の後で一人で発音練習したりしてましたから。
2 聞き取り
自分が発音する分にはまだいいですが、人が発音しているのを聞くとほとんどわかりません。
普段の会話スピードからこの発音を聞き分けるのはかなり難しいと思います。
「an」と「ang」の発音を気にして相手の話を聞きはしないですし、気にしてたら逆に文全体が頭に入らない。
でもこの聞き取り、意外と重要じゃないんですよね。
前後の文脈で何を言っているのか推測できるので。
さっきの「便當」と「笨蛋」みたいな似た単語がたくさんあるわけじゃないですし。
私はかれこれ5年ぐらい台湾に住んでいますが「an」と「ang」の発音が聞き取れなくて困った経験は一度もありませんから。
なので、聞き取りに関しては気にしなくても大丈夫です。
自分が発音さえ出来れば問題ありません。
3 似た単語
同じ「an」と「ang」を使う単語の音声を聞いてみて下さい。
実際に発音して正しい発音が出来るよう練習してみましょう。
「an」が付く単語例
一声 | 二声 | 三声 | 四声 | |
ピンイン | guān mén | nán shēng | jiǎn dān | hàn zì |
単語 | 關門 | 男生 | 簡単 | 漢字 |
カタカナ | グゥァン メン | ナン シィェン | ジィェン ダン | ハン ズ |
意味 | ドアを閉める | 男性 | 簡単 | 漢字 |
「關門 guān mén」の発音
「男生 nán shēng」の発音
「簡単 jiǎn dān」の発音
「漢字 hàn zì」の発音
「ang」が付く単語例
一声 | 二声 | 三声 | 四声 | |
ピンイン | xiāng fǎn | huáng sè | xiǎng fǎ | yàng zi |
単語 | 相反 | 黄色 | 想法 | 様子 |
カタカナ | シィァン ファン | フゥァン スェ | シィァン ファ | ヤン ズ |
意味 | 逆 | 黄色 | 考え方 | 形、様子 |
「相反 xiāng fǎn」の発音
「黄色 huáng sè」の発音
「想法 xiǎng fǎ」の発音
「様子 yàng zi」の発音
4 まとめ
この他に「en」と「eng」の発音も同じですよね。
「en」と「eng」の発音はこちらを参考にして下さい。
発音のコツも同じだし、聞き分けられなくてもさほど困りません。
私はこの「an」と「ang」の発音より「r」の発音の方がよっぽど難しく思います。
日本人が発音する時は「リー」や「ルー」と言ってしまいますが、その中間ぐらいの音で反り舌音になります。
それと、中国語の発音で一番大事なのは声調です。
これはよく言われている事ですが、ほんと、そう実感しますよ。
「ang」が正しく発音できてなくても声調が間違ってなければ相手は聞き取ってくれますし、逆にどんな簡単な単語でも声調を間違うと相手は「あ゛~?」と聞き返してきます。
中国や台湾で相手が聞き返してくる時に、よくこの「あ゛~?」って言われるんですけど、これが何度聞いても腹が立・・・・おっと、横道にそれてしまいそうなのでこれにて。
発音練習を乗り切って次のステップへ頑張りましょう!
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