こんにちは、台湾在住のれんです。
今回は電気配線、主に制御盤内の配線に関わる中国語を御紹介します。
私は以前、台湾で現地の人を使って制御盤を製作したり、改造したりする事がありました。
電気配線のスーパーバイザーとして現地に出張へ行っていたわけです。
その時は現地通訳さんがいたので中国語で意思を伝える事に問題はなかったんですね。
でも現在は台湾の会社へ就職して設備関係の仕事をするようになり、通訳という専業の人は当然いなくなりました。
自分で中国語を話すしかなくなったんですよ。
そこで、設備関係の中国語を少しずつ自分で覚えていき、今では通訳さん無しでもなんとか意思が伝わる様にはなっています。
電気関係のスーパーバイザーとして、台湾や中国に行かれる方には私が覚えた専門用語が役に立つと思います。
実戦で使える簡単な中国語から見て行きましょう。
目次
1 制御盤内の配線
制御盤内の配線をして下さい
qǐng bǎ kòng zhì pán nèi de xiàn jiē qǐ lái |
請把控制盤內的線接起來 |
チン バァ コン ヂィ パン ネイ ダ シィェン ジエ チー ライ |
制御盤の板金(箱や扉などのパーツ)と取り付ける部品がそろった状態で、部品の取り付けから配線までをしてもらう時にこう言います。
”請” は日本語の丁寧語にあたる言葉です。
この ”把” は ”把” 構文と呼ばれる文法に使用されていて、本来後ろにある目的語を動詞の前にもってくることで、目的語に対して何かの処置を加えたり、影響を与えることを表す文です。
”控制盤” は「制御盤」、”内” は「中、内部」、”的” は「~の」の意味で、ここまでの文で「制御盤内の」となります。
”線” は「線、電線」、”接” は「つなぐ」、”起來” は前の動詞の方向を表す「方向補語」と呼ばれるものです。
この場合は、動詞 ”接” の後ろにつけて「つなぎあげる」つまり「配線を仕上げる」と言うような意味になるんですね。
全体で「制御盤を配線して下さい」「制御盤内の配線を仕上げて下さい」というような意味になります。
ここからここまで配線して下さい
qǐng bǎ xiàn cóng zhè biān jiē dào zhè biān |
請把線從這邊接到這邊 |
チン バァ シィェン ツォン ヂァ ビィェン ジエ ダオ ヂァ ビィェン |
どこからどこまでを配線するか指示をするときに使います。
配線を接続する機器と機器を指さして、または図面を指さしてこう言って下さい。
”從” は「~から」という始まりの起点を表しています。
”這邊” は「ここ、この辺」という意味で、”從這邊” で「ここから」「この辺から」となります。
”到” は「~まで」、という意味で、”接到這邊” で「ここまでつなぐ」「ここまで配線する」という意味になります。
全体で「ここからここまで線をつないで下さい」「ここからここまで線を配線して下さい」となります。
このブレーカーからこのマグネットスイッチまで5.5sqの線で配線して下さい
qǐng cóng zhè wú róng sī kāi guān yòng wǔ diǎn wǔ píng fāng de xiàn jiē dào diàn cí kāi guān |
請從這無熔絲開關用5.5sq的線接到電磁開關 |
チン ツォン ヂァ ウー ロン スー カイ グゥァン ヨン ウー ディェン ウー ピン ファン ダ シィェン ジエ ダオ ディェン ツー カイ グゥァン |
少し具体的にどこからどこまでを、どんな線で配線するのか伝えてみましょう。
”這” は「これ、この」、”無熔絲開關” は「ノーヒューズブレーカー」、”從” からここまでで、「このブレーカーから」となります。
”用” は「用いる、使う」、「sq(スクエア)」は漢字で表すと”平方” で、読み方は ”píng fāng” です。
ただ、5.5sqを字で書くときも同じように5.5sqと書くので「sq」の読み方を ”píng fāng” とだけ覚えておけばいいでしょう。
”電磁開關” は「マグネットスイッチ」の意味です。
全体で「このブレーカーから5.5sqのケーブルを使ってこのマグネットスイッチまで配線して下さい」となります。
2 制御盤内部品の配線
この部品にアースを配線して下さい
qǐng zài zhè líng jiàn shàng jiē shàng dì xiàn |
請在這零件上接上地線 |
チン ザイ ヂァ リン ジェン シャン ジィエ シャン ディ シィェン |
アースの配線が必要な部品へ、アース線を配線するよう指示する時はこう言います。
”零件” は「部品」という意味です。
”在這零件上” ですが、この時の ”在” は「~に(~する)、~で(~する)」という意味をもつ前置詞です。
”這零件上” は「この部品の上、この部品上」という意味で、ここまでで「この部品に(~する)」となります。
”接上” は、 ”接(つなぐ)” に ”上” という方向補語をつけて「つなぎ合わせる」という意味になります。
ここが中国語の特徴というのか、別に ”接” だけでいいんじゃなかろうか?と思うんですが、大体動詞の後に方向補語を付けるんですね。
それでいて意味はあまり変わらないという、日本人にはこの方向補語というのはなかなか理解が難しいと思います。
”地線” は「アース線」と言う意味です。
全体で「この部品へアース線をつなぎ合わせて下さい」「この部品にアース線を配線して下さい」となります。
このリレーのコイルにDC24Vを配線して下さい
qǐng zài zhè duàn diàn qì shàng de xiàn quān jiē shàng DC èr shí sì V |
請在這断電器上的線圏接上DC24V |
チン ザイ ヂァ ドゥァン ディェン チー シャン ダ シィェン チュェン ジィエ シャン DC ウァㇽ スー スー V |
リレーを配線してもらいたい時、リレーのコイルを配線する時に何ボルトの電源を接続するか指示する時にこう言います。
”断電器” は「リレー」、”線圏” は「コイル」の意味です。
「DC24V」のDCとVはそのままディーシー、ブイと言えば通じます。
”在這断電器上的線圏” 「このリレーのコイルに」、”接上DC24V” 「DC24Vをつなげて下さい」となります。
単純に「このリレーを配線して下さい」と言いたい時は、”請把這断電器接起來” で伝わります。
このリレーのA接点に接続して下さい
qǐng lián jiē zài zhè duàn diàn qì shàng de A jiē diǎn |
請連接在這斷電器上的A接點 |
チン リィェン ジィェ ザイ ヂァ ドゥァン ディェン チィ シャン ダ A ジィェ ディェン |
この文は上の文と少し違って、何を接続するか指定していない文です。
”連接” は「接続する、連結する」、”A接點” はそのまま「A接点」という意味です。
”在這斷電器上的A接點”「このリレーのA接点に」、”請連接”「接続して下さい」となります。
こことここの間にヒューズを取り付けて、配線して下さい
zài zhè gēn zhè zhī jiān qǐng ān zhuāng bǎo xiǎn sī、qǐng jiē xiàn |
在這跟這之間請安裝保險絲、請接線 |
ザイ ヂァ ゲン ヂァ ヂィ ジィェン チン アン ズゥァン バオ シィェン スー 、チン ペイ シィェン |
電気回路の保護としてヒューズを取り付ける場合に、「こことここの間」という場所を指定する時の言い方です。
”這” は「ここ」、”跟” は「~と」、”之間” は「~の間」、「こことここの間」という意味になりますね。
”安裝” は「取り付ける」、”保險絲” は「ヒューズ」という意味で、ここまでで「こことここの間にヒューズを取り付ける」という意味になります。
”接線” は「線をつなげる」「配線する」という意味で、”請” を付けて「配線して下さい」とお願いしています。
3 まとめ
- ”請把控制盤內的線接起來”
「制御盤内の配線をして下さい」 - ”請把線從這邊接到這邊”
「ここからここまで配線して下さい」 - ”請從這無熔絲開關用5.5sq的線接到電磁開關”
「このブレーカーからこのマグネットスイッチまで5.5sqの線で配線して下さい」 - ”請在這零件上接上地線”
「この部品にアースを配線して下さい」 - ”請在這断電器上的線圏接上DC24V”
「このリレーのコイルにDC24Vを配線して下さい」 - ”請連接在這斷電器上的A接點”
「このリレーのA接点に接続して下さい」 - ”在這和這之間請安裝保險絲、請接線”
「こことここの間にヒューズを取り付けて、配線して下さい」
はっきりとは言えませんが、他の台湾の会社でも通じるのではないでしょうか。
それと、「配線する」という意味の中国語が色々な形で出てきていますね。
使いどころを分けると以下のようになります。
”從~接到~” ・・・「~から~までつなげる」という意味で使う
”接上” ・・・後に配線する物の名詞を付けて使う
”連接” ・・・「接続する、連結する」という意味で使う
”接線”・・・「線をつなげる」という意味で使う
今回は制御盤内の配線に使える中国語をお伝えしました。
次回は機体側の電気配線に使える中国語をお伝えしたいと思います。
是非、あなたの仕事に役立てて下さい。
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