こんにちは、台湾在住のれんです。
みなさん、台湾の麺と言えば何を想像するでしょうか?
パッと出てくるのは牛肉麺、麺線、乾麺、炒麺、あたりでしょう。
でも、日本人が知っているそれらの麺たちに隠れるように、台湾ではポピュラーな麺があります。
それが「米干」(ミーガン)です。
私の家でも月に一度は食べますし、会社で昼食に食べてる人もいます。
私が住んでいる所(地方都市)にもお店が何件かあるんですが、牛肉麺や麺線なんかに比べるとお店は少なく、他の麺たちに押されている感じ。
美味しいとは言えお店の数が少なく目立たないのが、ガイドブックへ大々的に載らない理由なのかもしれません。
でもそんな「米干」に聖地とも言える場所があったんですね。
それが桃園市中壢區にある「龍岡」という町です。
ここはそこらじゅうに「米干」のお店がひしめき合っているんですよ。
なんでも「米干」の発祥の地と言われる、中国雲南省の中国人達がこの場所で「米干」を広めたそうな。
今回はその「龍岡」へ「うまい米干」を食べに行ってまいりました。
わざわざ「龍岡」まで食べに行った理由は簡単、「米干が食べたくなったから」。
そして、「どうせなら一番うまい店でわが軍(家族)の胃袋を満たしてやろうではないか」という野望が沸々と湧き上がってきたからであります。
それでは、いざ、出陣!
宏珍雲南過橋米線・米干

そして、今回食べに行ったのは、適当な性格の嫁と家宝の娘、ただついて行くだけのヘッポコ将軍(私)に加えて、食のスーパーアドバイザー、超強力な助っ人軍師「Qさん(女性、嫁の友達)」の4人。
Qさんは美味しいお店情報をたくさん知っていて、味に関してもうるさい食通なのである。
私のように「旨味って何?コクって?」というような、ヘッポコな舌とは比べようのない繊細な味が分かる舌の持ち主なんであります。
そして、ご紹介するのはQさん一押しのこのお店「宏珍雲南過橋米線・米干」です。

店内はかなり狭く、テーブル数も数えるほど。
まさに地元民が行くようなお店です。そして、そんなお店の方が大きくて洒落たお店より美味しかったりするのはご承知の通り。
時刻は10時45分ぐらい。
本当は12時ぐらいに行こうと思っていたんですが、Qさんが「相当混むから絶対早く行った方がいい」と、頑なに譲らないため「軍師がそこまで言うのであれば致し方あるまい」、とばかりに承諾して早めに出発していたのです。
やはりスーパー軍師の言う通り、店を出る時は ↓ こんな感じで店内がごった返していました。

この時まだ11時半。
どんどん人が増えてくるし、こんなのに並んでたら1時間ぐらい軽く待たないと入れなかったでしょう。
そして店内はこんな感じ。



お値段も安い!そして写真が貼ってあるから、何が何か分かりやすいのもいい。
メニューは ↓ こちら。

私たちが注文したのは「涼拌豌豆粉」「月亮蝦餅」「綜合米干」「過橋米線」の4品。
本当はもっと注文したかたんですが、昼ご飯にはまだ早い上に朝ご飯を8時ごろ食べたのであまりお腹がすいてない。

まず登場したのが「涼拌豌豆粉」。
えんどう豆を粉末状にしてゼリーにした食べ物。雲南料理定番の品です。
ゼリー状の物自体にはあまり味がなく、かかっているタレ?が酢の味で、冷た酸っぱいです。

続いては真打が登場。「綜合米干」です。
「米干」といえば、麺の他に豚のレバー、豚肉、卵が入っているのが定番。

「米干」の麺は平べったいんですが、ここのお店は特に幅が広い。
いつも食べてる近所のお店はこんなに幅が広くないんですよ。そして弾力があって食べごたえがある。


「米干」につけるのは「辣椒」(ラージャオ)という辛い調味料。大体のお店が自家製で、味が微妙に違います。

そのままで食べても美味しい。子供には「辣椒」を入れずに食べさせます。



「辣椒」を混ぜて、レンゲにのせて食べます。
うん、旨い!弾力がある麺と辣椒のピリ辛がきいていて美味しい。
皆さんが台湾で麺料理のお店に入った時、他の台湾人が麺をすすらずにレンゲに乗せて食べているのを見たことがないでしょうか?
私は最初、「すする音が行儀が悪いため」とか「見た目にオシャレだから」と思っていたんですが、この「米干」を初めて食べた時にそうでない事に気が付きました。
スープが麺に絡まないからなんですね。
スープは美味しいのに、麺をすすると味が薄い。
だからレンゲに麺を乗せてスープをすくって食べる。
嫁もやってたのでマネしてみたら「ドンピシャ」でした。旨い。
「米干」に限らず、台湾ではスープが麺に絡まない麺類が多いです。
皆さんも台湾に行った時はやってみて下さい。

そして今回の私的大発見、スーパーヒトシ君人形を獲得した「過橋米線」が登場。

おばちゃんが鍋と麺を別々に分けて持って来たと思ったら、速攻で麺をぶち込みました。
写真を撮る暇なし!

美味しそうですねー


こちらはQさんのオススメで「辣椒」を入れずに食べてみる。
「うっまー!何これ!」
と、初めて食べた「過橋米線」は私の舌から脳髄を刺激し、さらにはガッツリとハートをわしずかみにしたのであります。
鶏がらスープ(たぶん)のしっかりとしたダシがきいていて、うっすらと塩味のするサッパリとしたのど越し。
これ、私の好きな韓国料理「サムゲタン」のスープに似ている(今思い出した)と思います。
今回の「総合米干」も美味しいけど、「過橋米線」ほどインパクトがなかったんですよ。
たぶん普段も米干を食べているのでどんな味か知っているからでしょうね。
想像の範囲内だったため大きなインパクトが無かったんでしょう。
もしくは普段食べている米干のお店がかなり美味しいのか(小さいお店だけど、正直かなり美味しいと思う)。
兎にも角にも新しい発見をしてしまいました。
このお店にまた食べに来ることは間違いないでしょう。


最後に登場したのがこちら「月亮蝦餅」。
エビが入ったねりものを揚げた料理ですね。
これも「米干」のお店ではどこでもある定番料理です。
衣がカリッとしていて、中はモッチリ。子供が好きなのでいっぱい食べてました。

店内にはこんな額縁があり、「過橋米線」の伝説?作り方が記されていました。
Qさんから「読んでみて、材料とか書いてあるから」と言われましたが、ちょっと目をやってからすぐに箸を動かし始めました。
いや、読む気になれませんわ。
中国語がある程度わかるといえども見た目がなんか。。。ストレスが溜まるというか。。。
そしてこのお店、営業時間が朝の6:00~夜の8:00までなんです。
Qさんの話によると、朝ご飯に「過橋米線」を食べて仕事に行く人が多いのだとか。
「たしかにこのサッパリ味なら朝でも食べられるわ」と納得。
それにしてもさすがスーパー軍師、よく知っていらっしゃる。
そして、満腹になったわが軍は「また来ようぞ!」とばかりに、「過橋米線」と再度会いまみえる事を誓いお店を後にしました。
その後、スーパー軍師Qさんを得たわが軍は「水を得た魚」、「諸葛孔明を得た劉備玄徳」の如く、他の名立たる米干のお店と町の散策に繰り出す事と相成ります。
中壢忠貞市場

お店の前の道はこんな感じで、車とバイクでごった返っています。
当日が土曜日という事もあり、人がいっぱい。
で、市場の入口手前の方でスーパー軍師Qさんオススメのお店「越南法國麺包」があります。

「越南」は「ベトナム」、「法國」は「フランス」、「麺包」は「パン」の意味です。
そのまま訳すと「ベトナム式フランスパン」となるんですが、なぜこんなに人気なのか?
好きな具材を選んでパンに挟んで食べるようなんですが、この具材が美味しいらしいです。
すごい人気で ↓ の通り行列が出来てます。

手前のセクシーなおねえちゃんではなく、後ろの行列の方ですね。
Qさん曰く、「ものすごく美味しい」との事。
スーパー軍師の実力は、先の「宏珍雲南過橋米線・米干」で証明済み。
ですがこっちはお腹いっぱい。
Qさんはどうしても私たちに食べさせたいらしく、行列に並ぼうとしていましたが、帰りに寄る事にしてその場は立ち去ります。


食材だけでなく、服やカバン、雑貨までなんでも売っている比較的大きな市場、「中壢忠貞市場」。
台湾ではすでに見慣れた光景。ここもまた、人、人、人。
我々は並み居る人ごみをかき分け、バックで突っ込んでくる凶暴なトラックを間一髪で交わし、まだ見ぬ未開の地を目指してさらなる奥地へと藤岡隊長と共に。。。。。水曜スペシャル?(知らない人は「水曜スペシャル 藤岡弘」で検索してね)
米干の有名店たち
忠貞誠

そして市場の中に一際目立つ小奇麗なお店がこちら、「忠貞誠」。
こちらも「米干」で有名なお店。当然の如く行列が出来ております。
綺麗なお店なので日本人にもおすすめなのではないでしょうか。
いずれまた、ここに訪れた時は食べに来たいと思います。
國旗屋米干米線

市場を途中でわき道にそれて抜けたところに、「國旗屋米干米線」という「米干」で有名なお店があります。
台湾の国旗をこれでもかと散りばめているのが特徴で、いやがうえにも目に飛び込んで来ます。
私(40歳代)や、それより上の年代の方なら、映画「幸せの黄色いハンカチ」を思い出さずにはいられないでしょう。たぶん。

こちらもすごい行列。右側の片づけをしている方が店長との事。
この国旗は全部自分で取り付けたらしいです。

店内はそこそこテーブル数はあるものの、人が多すぎて狭く感じます。
厨房もこんな感じでギュウギュウ詰めです。

向かい側の建物にもテーブル席を拡大しているので、注文してこっちで食べれるようになってます。
もうかってまんなー。
このお店もいずれ食べに来たいですね。

外の壁にはこんなのが貼ってました。
中国雲南省の民族衣装を紹介しているんでしょう。
台湾の原住民と違って衣装が中国っぽいですね。当たり前ですが。
阿美米干 Amay Noodle


こちらも有名店「阿美米干 Amay Noodle」。
こちらのお店も大きくて綺麗なので、日本人の方でも入りやすいのではないでしょうか。
先ほどの「國旗屋米干米線」から大通を10~15分ぐらい歩いて行った所にあります。
やっぱり行列。
「どんだけ米干食べる人多いんよ!」というぐらい、どこの有名店も行列。
休日になると「米干」を食べに他の街から人が集まってくるんでしょう。
でもこの辺りは有名店だけでなく、行く先々に米干のお店があるんですが、どのお店も人は少なめ。
行列が出来ている店は、やはり美味しいからこそ有名になって人が多いのでしょう。
このお店も、店員さんが運んでいる「米干」を見ていると美味しそう。
うーん、次に行きたいお店が多すぎて迷いますね。
そしてわが軍はこの「阿美米干 Amay Noodle」の隣にある「阿美金三角點心」で休憩を取る事にしました。



店内は綺麗で、パンを作っているところがガラス張りで見えるようになっています。

私たちが注文したのはこちらとコーヒー、子供にはオレンジジュース。
Qさんと嫁が注文したので品名は分からず。どれも程良い甘さです。
私はまだ米干でお腹がいっぱいなのでちょっとつまむぐらいですね。
Qさんによると、隣の「阿美米干」で食事すると割引券がもらえるとの事。
最後に
スーパー軍師Qさんのおかげで龍岡を満喫したわが軍は一路、軍馬、ではなくスクーターを止めている「宏珍雲南過橋米線・米干」付近へ歩いて帰ります。
そして途中、忘れかけていた「越南法國麺包」へパンを買いに行くと。。。

なんと驚愕の 売り切れ 店じまいでした。(写真はどんなパンなのか分かり易くカンバンを撮ったものです)
そこにはほんの2時間前にあった行列の姿はどこにもなく、まだ昼の1時半だというのに店じまい。
3人とも「マジか!」とたたずんで、お店の人に聞いてみるもやはり売り切れ。
Qさんは家に帰って食べようと楽しみにしていたらしく、少し寂しげな感じ。
「すまぬQよ!許せ!」
「今回はわが軍の負けを認めよう!だが次は無いと思え!越南法國麺包!」
と、「次に来た時はまず買っとこうね」「ありがと!バイバイ!」とお別れして帰路につきました。
台湾に住んでいる日本人の方は是非、「龍岡」へ「米干」を食べに行ってみて下さい。
そして台湾へ観光で来られる方は龍岡まで行けなくても、台北にも「米干」の美味しいお店はあるはずです。
是非一度食べてみて下さい。
台湾観光リピーターの方であれば是非、足を延ばして「龍岡」まで行ってみて下さいね。
ではまた!
宏珍雲南過橋米線・米干
住所:桃園市中壢區龍東路18號
営業時間:8:00~20:00
定休日:月曜日
越南法國麺包
住所:桃園市中壢區龍東路210號
忠貞誠
住所:桃園市中壢區前龍街38號
営業時間:火曜日~金曜日 6:00~13:30
土曜日、日曜日 6:00~14:00
定休日:月曜日
國旗屋米干米線
住所:桃園市中壢區龍平路215號
営業時間:5:00~18:00
阿美米干 Amay Noodle
住所:桃園市平鎮區中正里中山路142號
営業時間:6:00~21:00
定休日:年中無休
あわせて読みたい
コメントを残す